127 エンドタイトル
重ねて、実写のフィルムで原爆から終戦、そして進駐軍上陸まで見せます。
126 滑走路
ベン、子供達に向って大声で、
ベン「Thank you !」
子供達、行け、行けと手を振りながら、
正雄、泰助「オーケー、オーケー!」
と叫ぶ。動き始める機体。
追いかけて走る子供達。そして兵隊達。
中隊長「撃つな!飛行機を出せ!急げ!」
と叫ぶ。兵隊の一部、それで他の飛行機へと走る。飛び上がって乗ろうとしておどろく。ガラクタのつまった操縦席。
追いかける兵隊、子供達を尻目にぐんぐん加速する九番機、滑走路があとほんの少しになったとき、すうー、と浮かび上がる。飛び上がって喜ぶ子供達。
朝日に向って飛び上がるとゆっくり弧を描いて反転し上昇していく機体。青みをおびてきた空に消えていく。
125 飛行場――門のところ
トラックが急ハンドルを切って入ってくる。急ブレーキで中尉の前にとまると中隊長、飛び降りる。
中隊長「どうなっとる、中尉」
中尉「はあ、それが、九番機が勝手に動いて……」
中隊長「勝手にじゃない!敵兵じゃ、敵兵に乗っ取られたぞ!」
123 河原に向う道
軍曹が中隊長に報告している。
中隊長「敵兵と子供がぐるじゃと!」
軍曹「はい、間違いありません。トラックの乗り捨ててあったところから見て、町に来とるのも確実であります」
中隊長あたりを見回す。すでに雲隠れしている良介。
中隊長「あのガキもそしたらぐるじゃ。いかん、飛行場がやられる。軍曹、早く出せ!」
とトラックに飛び乗る。兵隊達も荷台に飛び乗る。組長を残して、トラック発車。
121 河原へ向う道
敵兵生け捕り隊の一行が先を急ぐ。
組長「でもどうやってその暴れる奴をつかまえたんじゃ?」
良介「ワナや、ワナ。落とし穴に落としたんや」
組長「ほう……そらお手柄やなあ」
中隊長「ところで坊主、お前どうやって川を渡ってきたんや?」
そのとき川上のほうからトラックが飛ばしてくるのに一同気付く。