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29 (D・I)谷川

泰助と正雄が釣りをしている。すっかり元気になったベンが草鞋【わらじ】をはいて見ている。泰助、竿を置いて立ち上がると、

泰助「しょん[べん]」

と一言、言って、茂みに入っていく。

ベン、不思議そうに泰助の後ろ姿を見ている。

みんみん蝉が一匹だけ啼いています。

ピクッと動く泰助の竿。するすると引っ張られる。