2016-09-12 40 四つ辻 脚本3・9 泰助が歩いてくる。角【かど】で走ってきた二郎とはち合わせ。二郎は泰助の後ろに隠れる。(犬の啼き声、近づく) 二郎「(喘【あえ】ぎながら)泰ちゃん……助けて」 大きな真っ黒な犬が走ってきたのを泰助、なんなくあやす。 泰助「どうして逃げるの?」 二郎「だって、追いかけてくるのに」 泰助「あのね、犬はね、逃げるから追っかけてくるんやよ。じっとしてりゃ、なんにもしないんよ」 黒い犬、おとなしくなって、トボトボ歩き出す。 泰助「あっ、それでね、二郎【じろ】ちゃん……」 (WIPE)