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42 山道(馬がかよえるぐらい太い道)

 かんかん照り。三人が、少し遅れて二郎が、首に手拭いのようなちいさい布を巻きつけて歩いていく。

徹「なぁ、泰ちゃん。ほんとにあの板菓子、まだあるん?」

泰助「そらもう、箱に一杯ぐらいあるで」

徹「そうか、よしよし」

泰助「でも、もろうたら、三、九、て言うんだよ」

徹「三、九、て、なんの数だい?」

泰助「数じゃない、アメリカ語でな、ありがとうじゃ」

徹「へー、三と九がや?ほんとにや?へー」

と二郎の方を振り返る。続いて泰助と孝も振り返る。二郎立ち止って手拭をいじる。三人が前を向いて歩き出すと、急いで歩き出す二郎。蝉の合唱が甚【はなはだ】しい。