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66 町――ある長屋の裏口

荷車が置かれている。初めのように供出物を運んでいるように見える。筵【むしろ】でふたをされた木の箱の中からくんくんと仔犬の鳴き声が聞こえる。近くの井戸端に腰かけて見張っている二郎。チョコレートをとり出して(ぐにゃぐにゃになっているので仕方なく)少し銀紙をはがしてなめ始める。