76 大通り

良介と俊夫が見回りをしている隣組の組長にまとわりついていく。

良介「なあ、ちょっと来とくれよ。敵兵をとりこにしとんじゃ、なあ、そこの路地じゃ、なあ」

組長「このくそ忙がしいときに何を言いよる。早よう壕へ入らんか。おまいらの兵隊ごっこにつき合うとる暇はないんじゃ」

と電気がつけ放してある家に駆け込んで消す。出てきたところに

良介「大谷村から連れて来たんじゃ、敵機が墜ちたんはおいさんも知っとろう」

組長、走り去ろうとしたがとまって、良介の顔をまじまじと見る。良介の手を握りしめてぴったり寄り添う俊夫。