126 滑走路

ベン、子供達に向って大声で、

ベン「Thank you !」

子供達、行け、行けと手を振りながら、

正雄、泰助「オーケー、オーケー!」

と叫ぶ。動き始める機体。

追いかけて走る子供達。そして兵隊達。

中隊長「撃つな!飛行機を出せ!急げ!」

と叫ぶ。兵隊の一部、それで他の飛行機へと走る。飛び上がって乗ろうとしておどろく。ガラクタのつまった操縦席。

追いかける兵隊、子供達を尻目にぐんぐん加速する九番機、滑走路があとほんの少しになったとき、すうー、と浮かび上がる。飛び上がって喜ぶ子供達。

朝日に向って飛び上がるとゆっくり弧を描いて反転し上昇していく機体。青みをおびてきた空に消えていく。