118 並べられた飛行機
倉庫のあたりから、バケツ、板切れ、藁【わら】などいろんなものを孝、二郎、正雄、俊夫が運んできて翼の上に上がった徹に渡す。徹、手当りしだいに座席にぶち込む。徹、翼から飛びおりて、正雄に
徹「これで飛ぶのにえろう手間がかかるで……あれ泰ちゃんは?」
正雄「なんか飛行機に墜とされん工夫をするいうて倉庫におるんや」
116 飛行場――倉庫
九番機を見上げている一同。
泰助「これやな、孝【たか】ちゃん」
孝「(胴体の下のタンクをたたいて)これが油やろ。間違いない」
正雄「よっしゃ、飛行機のことはベンにまかしとこ。わしらはなあ……」
とみんなを集めて指示をする。
114 小屋のところ
じっと様子をうかがっている子供達。
あちこちから兵隊が集ってきて、良介と組長を先頭に走り出す。それを見送って小屋のかげから走り出る一行。門の外燈の下を通って奥へ消える。