74 町――大通り
夕やけが赤く沈みかけている。
突然鳴りわたる空襲警報。
急いで防空壕へ入る人々。
泰助たちは荷車を引いてうろうろしている。
婦人一「あんたら、何しよんぞな。早よう、早よう」
と共同壕の方へ呼んでいる。
遠くから聞えてくる飛行機の爆音。
泰助と徹が先導して、荷車を細い路地に引き込む。
泰助「早よう、あのおばさんのとこや!」
みんなが駆け出す。泰助、筵【むしろ】をとって、ベンにじっとしてろ仕種【しぐさ】で示して、共同壕へ行こうとする。
ベン「タイスケ!」
と呼び止めると、胸ポケットから紙きれとペンを取り出して、さらさらの何か書きつける。その紙きれを受け取った泰助、どちらから見るのか分からずくるくる回す。山と海と夕日の絵と大きな矢印。
夕やけが赤く沈みかけている。
突然鳴りわたる空襲警報。
急いで防空壕へ入る人々。
泰助たちは荷車を引いてうろうろしている。
婦人一「あんたら、何しよんぞな。早よう、早よう」
と共同壕の方へ呼んでいる。
遠くから聞えてくる飛行機の爆音。
泰助と徹が先導して、荷車を細い路地に引き込む。
泰助「早よう、あのおばさんのとこや!」
みんなが駆け出す。泰助、筵【むしろ】をとって、ベンにじっとしてろ仕種【しぐさ】で示して、共同壕へ行こうとする。
ベン「タイスケ!」
と呼び止めると、胸ポケットから紙きれとペンを取り出して、さらさらの何か書きつける。その紙きれを受け取った泰助、どちらから見るのか分からずくるくる回す。山と海と夕日の絵と大きな矢印。